2年生後期の第1課題「極端な自然環境下の都市、建築」。毎日、そして永遠に雨が降り続ける環境のもとにある都市を構想し、そこにおける建築を設計する、という課題。想像力と構想力のトレーニング。
内山瞳さんの作品。海に浮かぶ巨大なスラブで陸地をつくり、さらにもう1枚のスラブで屋根をつくる。タンカーが浮かんでいるのだから、曲面スラブにも可能性があることは明らかです。つまり、これは夢の話ではありません。
太田慎也君のほとんど水没した神戸の風景。右上にあるのが、彼の提案する巨大建築。でもドローイングの中では小さすぎて目立たなくてよくわかりませんが。
大津まゆさんの、森の中で木々と共存する建築の風景。まだ制作途中なのでイメージが伝わりにくいですが、完成したら迫力のあるドローイングになるでしょう。
田中萌さんの山中腹に出現する、帯状都市の風景。コンタ(土地の高さ)に沿っています。万里の長城の現代中腹版にも見えます。自然の風景の中に現れる、果てしなく1直線に続く幾何学的風景。見てみたいものです。
田村彩乃さんの作品。都市の中に光る灯台があり、暗い都市を照らし、導いていくという話。ドローイングのタッチに味があります。
ダムが新しい役割を担うであろうという、金森タカシ君の作品。
金ユスンさんの作品。何かわからないですが、自然と人工物の融合がテーマです。
張ギケンさんの海中都市。ざくろの粒つぶの中に人が生活している巨大なタワー。ガラスの粒が出っ張っているので、空と海の両方の風景を写し込んでいき、空と海を結び付けて融合するような外観を獲得することでしょう。
作品を見ながら、学生の想像力には無限の力、可能性があることを実感します。
未だ見たことのない世界を構想する。建築家教育の大切な柱です。