3年生葉山スタジオの最終課題。4年生葉山スタジオとの合同でのスクールジュリーには、建築家の平井純さんを招いて、講評をいただきました。
平井さんはセイカ建築の卒業生ですが、建築設計、インテリアデザイン、コミュニティづくりなど多彩な活動を展開されています。http://www.factory-net.jp/index.html
伊藤めぐみさんの「行為を覚える知育家具」。磁石とマジックテープで連結できるフレームを30個制作。玩具→知具→家具、という素材の質感や色で遊び、立体に組み立て、机や椅子、飾り台などに実際に使用できるというアイデア。
面に貼ってあったり、挟みこまれている素材は、布、アクリル、木など。
伸縮性を持つ面もあり、子どもが喜びそうです。商品化できたらいいのですが。
金沙紀さんは、机の上に置くパーティションを制作。
にぎやかな机前の風景ができました。
曲面にしたのは、包まれる集中感を求めて。波にしたのは、視線の柔らかな遮断と光のこぼれ方と収納を考慮してのデザイン。上下に連結(マグネット内臓)すると、衝立にもなる優れたデザイン。波の板を1枚作るのに要した時間は2時間!。商品化できたらいいのですが。
横にしたら、明らかに建築の模型。楽しいアイデアです。
上枝遥香さんは、現代の床の間をデザイン。室内に奥行きを出すための家具。現代のすっからかんとした味気ない室内に、「奥行き」を持ち込むための家具。
試行錯誤を繰り返した結果、照明にもなりました。横のパーツを270度回転させると、
座面がでてきて、椅子とサイドテーブルとして使うこともできます。
彼女はこのスチールアングルのフレームを作るために、溶接も体験しました。男前ですね。
野中亜美さんは、縁側から発想した椅子を制作。ひざに畳が当たることで日本の文化を。
耳の後ろにあるカーブした面があることで、周囲の音の聞こえ方が変わります。
4色も使っているのに、嫌味ではないのは、おそらく本物の木材を使ったからでしょう。
南秋穂さんは、絵を描くための新しいイーゼルを提案。シンプルな構造。
上部が着脱式になっていて、引っ張って取って横方向に差し込むと、飾り台になるアイデア。
しかし、炎天下が続く中、よく制作したものです。アイデアを思いつくのは簡単ですが、それを実物として作ってしまうという、セイカ建築学科の1:1を作るという伝統は今でも守られています。
どれも素晴らしい作品で、商品化したいものです。
見ていてどの作品にも感動しました。特に僕は2つ目の置くパーティションにめをうばわれました。
この作品は本棚のように家に一つはあってもおかしくないし、その常用性にくわえて包み込むようなデザインは遊び心もあって
本当に商品化してほしいと思いました。