タンペレ大聖堂。1907年。ラルス・ソンクさんの設計。ナショナル・ロマンチシズム様式です。
この頃の石積みのパターンは、開口部はまぐさ式かアーチ式で、それ以外の壁には、長方形、正方形の石をランダムに組み合わせるスタイルです。1910年のサーリネン設計のフィンランド国立博物館もそうでした。
サーリネンの国立博物館。
スコットランド地方の影響がある、とのガイドブックの解説。
幾何学的な窓フレームの中の、有機的な模様。絵画は楽園を求めて旅する人達。
リブ(筋)を見せながら、構造の力の流れが視覚的に伝わってきます。人間の身体の「筋」と同じ。
外観のどっしりした石積みと、角度を数種類持つ屋根達とのコントラスト。内部も同じように重厚感のある柱と、伸びやかに上昇する天井とのコントラスト。今、これと同じ素材を使って、同じデザインを行うことは無意味ですが、建築の構成としては、間違いのない表現です。
100年前のスタイルとして、これからも大切に保存されていかれることでしょう。