ウィーンで訪問したのは、aap.achitekten という建築設計事務所。この事務所は、設計の仕事の一方で、子ども達へ建築を教える活動を行っている組織です。 書店には売っていない独自のテキストを制作しているので、1部譲ってもらいに行きました。
テキストのタイトルは、パッシブ・ソーラー・ハウス。その内容をわかりやすく絵と仕掛けで説明しています。
家の内部の断面図に。バッタさんとひまわりさんが説明。基礎、床、天井、壁、緑化屋根などの言葉も。退屈しないように、右のアイテムがどこにあるか探してみよう!みたいな モノと部屋の関係も 考える楽しい遊びも。
工事のプロセスを説明。地面を掘削して、ならしています。使用する材料や機械、車両の名前も紹介。下には、地下を空気が通ると冬の冷たい空気が暖まる話。
構造体ができました。右にはじめに建てられたレンガの壁は、南側の蓄熱を目的にしたもの。 このページの右には、四角い穴が7個。
いくつかの断熱材の名前、絵をめくると、材料のテクスチャー写真が見える仕掛け。面白いです。
上の2枚の写真の違い、わかりますか?動く仕掛けで、わかりやすく。
冬の家の中の空気を説明。
左には、断熱効果の実験してみよう。右には、素材や風の気化熱の話。
すべてのページを紹介していませんが、最後の裏表紙には、この本を制作するプロジェクトの スポンサー名が記載されています。理解ありますね。
この本は、aapに所属する2人の建築家によってつくられました。その1人、Alexandra Frankel さんに話を聞くと、すでにヨーロッパ言語すべてに翻訳されているとのこと、現在は、中国語版と韓国語版の制作が進行しているそうです。話を聞いたミーティングルームのホワイトボードにも、ハングル文字が書かれていました。「日本人なら韓国に近いから、これ読めるでしょ?」 「読めません。近いけど」。
日本語版は?と聞くと、「その話はまだないので、もしも可能なら相談に乗りますよ!」と好意的。では日本で子どもへの建築教育に理解のある、パッシブ・ソーラーハウス関係のスポンサー企業を探さなければ・・・
このような内容を中心に、市内の小学校や図書館で、建築を教えるワークショップを、月に数回行う活動をされています。その際にはこの本を使うのではなく、紙芝居のようなボードや映像資料で行うそうです。
今後、回数を増やしていく予定はありますか?と聞くと、「設計事務所の仕事も行わなければならないので、」との事。 そうですね。本業 (どっちかわかりませんが) は大事ですよね。