school architects blog
ウィーンの建築絵本

ウィーンで訪問したのは、aap.achitekten という建築設計事務所。この事務所は、設計の仕事の一方で、子ども達へ建築を教える活動を行っている組織です。 書店には売っていない独自のテキストを制作しているので、1部譲ってもらいに行きました。

1テキストのタイトルは、パッシブ・ソーラー・ハウス。その内容をわかりやすく絵と仕掛けで説明しています。

21ページ目には、家の外観。でも、右の一回り小さなページが、

3動いて、

4家の内部の断面図に。バッタさんとひまわりさんが説明。基礎、床、天井、壁、緑化屋根などの言葉も。退屈しないように、右のアイテムがどこにあるか探してみよう!みたいな モノと部屋の関係も 考える楽しい遊びも。

5工事のプロセスを説明。地面を掘削して、ならしています。使用する材料や機械、車両の名前も紹介。下には、地下を空気が通ると冬の冷たい空気が暖まる話。

6同じように動いて、コンクリート基礎床がつくられています。

7次のページには、壁がつくられて、

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9構造体ができました。右にはじめに建てられたレンガの壁は、南側の蓄熱を目的にしたもの。   このページの右には、四角い穴が7個。

10いくつかの断熱材の名前、絵をめくると、材料のテクスチャー写真が見える仕掛け。面白いです。

11今度は、太陽の話。

12上の2枚の写真の違い、わかりますか?動く仕掛けで、わかりやすく。

13次は、空気調整の話。このページには、4つの開く窓があって、

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冬の家の中の空気を説明。

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左には、断熱効果の実験してみよう。右には、素材や風の気化熱の話。

16すべてのページを紹介していませんが、最後の裏表紙には、この本を制作するプロジェクトの   スポンサー名が記載されています。理解ありますね。

この本は、aapに所属する2人の建築家によってつくられました。その1人、Alexandra Frankel   さんに話を聞くと、すでにヨーロッパ言語すべてに翻訳されているとのこと、現在は、中国語版と韓国語版の制作が進行しているそうです。話を聞いたミーティングルームのホワイトボードにも、ハングル文字が書かれていました。「日本人なら韓国に近いから、これ読めるでしょ?」           「読めません。近いけど」。

日本語版は?と聞くと、「その話はまだないので、もしも可能なら相談に乗りますよ!」と好意的。では日本で子どもへの建築教育に理解のある、パッシブ・ソーラーハウス関係のスポンサー企業を探さなければ・・・

このような内容を中心に、市内の小学校や図書館で、建築を教えるワークショップを、月に数回行う活動をされています。その際にはこの本を使うのではなく、紙芝居のようなボードや映像資料で行うそうです。

今後、回数を増やしていく予定はありますか?と聞くと、「設計事務所の仕事も行わなければならないので、」との事。 そうですね。本業 (どっちかわかりませんが) は大事ですよね。

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. 建築が環境を破壊するものであることは疑いようもありません。 一方、ある目的のためには、空間が必要であることも事実です。 犠牲にしてまでつくられる空間とは、一体どうあるべきなのでしょうか。空間の「質」は、広さだけの尺度で判断することは出来ません。単なる箱をつくるのではなく、空間のかたちや光、音、雰囲気など、人々にとって、記憶に残るような魅力を持つものを残していきたいと考えます。 次世代から現在の環境を預かっている、という立場に立ち、 建築・インテリア・家具・まちづくりのデザインを行います。

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