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聖ヘンリ・エキュメニカル アート教会

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聖ヘンリ・エキュメニカル教会。1991年に「アート教会」として企画され、敷地が選定されて行われた設計コンペで1等を取った建築家作品。2004年から工事を始め、2005年に完成。完成後には、いくつかの賞を受賞しています。設計者のコンセプトは、「魚あるいは木の塊り」。  写真は道路から見たシーン。鰹節が山に乗っている印象です。その昔に僕が設計した建築に似ていると思いました。

2アプローチの道路を登って行くと、銅板の屋根の端部にはガラスが。

3建築の後ろから回り込みながら登って行って、妻側が正面。小屋のような教会

4玄関。銅板の貼り方も左右対称形で。幅が狭いのは、敷地形状によります。

0上が平面図。左が入口。平屋で300㎡。200人を収容。山の頂に乗っかっているのが、敷地図でわかると思います。玄関を入って小さな10畳くらいのホール、その右にサービス機能があって、そこからは、細長ーい礼拝室。

00玄関ドア。外部は銅板ですが内側は木。引き棒も銅製。築7年ですが、きれいにメンテナンスされています。外装は、はじめは銅板の生地だったので、完成した時の写真を見ると、金色の建築。

1玄関から正面を見ます。形そのままの内部空間。素直で好感が持てます。長さを生かした構造の美を狙っています。両サイドの天井まで行かない箱がトイレ、事務室、倉庫など。

2少し、絞りを解放した写真です。正面の祭壇に光が落ちています。そこまでの空間には自然光はなし。

3正面の祭壇。外観で見た、ガラスの帯がそのまま窓に。素っ気なさ、限りなし。P.ズンドーの聖ベネディクト教会を思い出しました。下写真。

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4本当にいい意味での素っ気ない祭壇。ミニマムなデザインです。

5祭壇を囲む開口部。壁からズルッと天井まで。当然2重ガラスですが、内側のガラスには大きな意味のあるデザインがなされています。

6型板ガラスですが、そのガラスを流し込む型が模様入りの型。しかも1枚1枚異なる模様。自然樹木の葉っぱのようだったり、霜の模様、積雪に雨が降った後の模様、ところどころには文字も。単なるフロストガラスにはしないで、手の痕跡を残しています。前回、お伝えし、提言した現代の新しいクラフトデザインだと思います。型をつくるのには手間はかかりますが、たいした労力ではないはず。なにより、関係の皆さんで楽しんでつくることができる事は大きな財産になると思います。

7祭壇から入口の見返し。両サイドの箱があることがわかります。

P1020857 - コピー座席も極めてシンプル。座るベンチのみ。例え、工事予算が少なくても、公開の実施設計コンクールを行う事。これは、国の方針であり、市の方針です。

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もちろん、柱はムク材ではなく、集成材です。人工照明は、壁際下からのアッパースポットライト、のみ。

 

 

 

 

 

建築の構成や形が単純なこと=わかりやすい事が、建築デザインにとって、良い事にはなりません。単純であればその「単純な力」を意図して引き出して、さらに「強い建築」になっているかどうかが問題。

この教会は、そぎ落とす事、形態の力を空間に生かすことに成功しています。かつて、ポストモダニズムの頃に、「裸形の建築」として、コンクリート打ち放しの荒々しいブルータルな表現を打ち出した建築家もいましたが、現在のこの単純さは、繊細なセンスを伴った、素直で強い空間表現です。例えてみれば、その昔は、頑固おやじの強引な強さで、この建築は強度なインテリジェンスを持った女性的強さの建築。

まあ、どちらにせよ、「強度」がある空間には、人間は魅かれるものです。この事はすごく大事なデザインする原点だと思っています。 僕達の人間世界でも、強く勢いを持つストレートな人に、ある種の魅力がある事と同じ事。 (105)

 

 

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. 建築が環境を破壊するものであることは疑いようもありません。 一方、ある目的のためには、空間が必要であることも事実です。 犠牲にしてまでつくられる空間とは、一体どうあるべきなのでしょうか。空間の「質」は、広さだけの尺度で判断することは出来ません。単なる箱をつくるのではなく、空間のかたちや光、音、雰囲気など、人々にとって、記憶に残るような魅力を持つものを残していきたいと考えます。 次世代から現在の環境を預かっている、という立場に立ち、 建築・インテリア・家具・まちづくりのデザインを行います。

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