数日前に僕の元にやって来てくれた、アルト・サックス。半年前から欲しかったので、新しいおもちゃを買ってもらった子どものように嬉しい気持ちになりました。
当分は、ドレミファソラシドの練習で退屈はしないでしょう。
しかし、つくづくと楽器が美しいことを実感します。
各パーツが、どのように動くのか、何故その場所で、その形をしているのかわかりませんが、どの部分を見ても、「音を奏でること」、「働くこと」が伝わってきます。必然のみで決められた機能美。
音を出すことは確かですが、人間が操作をしやすい事にも十分に配慮がなされている感じ。 YAMAHAのバイク、V-MAXを思い出させてくれます。
上下に動く、回転する。
新しいので、周りの風景も映り込み。
管の内部空間。100分の1なら、中に入って内部空間を体験する事ができるのに、と想像。
一緒にやってきた、e-Sacksという消音+電気アンプ内蔵装置。メトロノーム機能付き。
このフォルムも、すなめり やオットセイ、バク、牛の頭の骨格を想起させる可愛らしいフォルム。
究極的に合理的・機能的に考えられた機械が、美しさを持つことは事実です。
レーシングマシンのフォルムは、最先端空力デザインの結晶。(写真は童夢社製)
飛行機のコックピットのレイアウト写真。操縦士がビスケットを食べながら操縦しているのは気になりますが。カンタス・エアーは以前は気軽に写真を撮らせてくれていました。
採石場。
新日鉄堺工場のレイアウト。究極的にロスがないようにレイアウトされた資材の流れ。その溶鉱炉。
巡視船 と パラボラアンテナ
モスクワのラジオタワー。
コンピュータ制御されて、外部の天候状況に呼応して可動する、アラブ文化センターの窓。
などなど、機能美の例の枚挙にはキリがありません。「形態は機能に従う」ことを、再度認識してしまった、サックスでした。単に「機能すること」をデザインすることは容易でしょうが、それが美しさを獲得するためには、やはり究極的な必然性を持つまでの詰めが必要なことは明らかです。
しかし飽きっぽい僕がすぐに使わなくなって、飾るだけにならないようにしなければ。美しいけど。