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タンペレ図書館

1フィンランドの第2の都市、タンペレ市の図書館。ライリ&レイマ・ピエティラ夫妻設計。1986年。  丸っこい外観です。ピエティタさんは、アアルト以降のフィンランドの代表的な建築家と言われています。ライマさん、63歳の時に完成した建築。

2玄関アプローチ部分。階段とスロープで2階から入ります。昨年まではこの図書館の中に「ムーミン谷博物館」も併設されていましたが、1月からは近所の美術館にムーミン谷は引っ越しました。

3輪郭が丸くなっている平面計画。事務部分(水色)は効率よく経済的にグリッド、閲覧室(緑色)と玄関ホールは放射状の構造計画。

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玄関ホール。平面図では右上部分。平面は円形で屋根はドーム天井。

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6放射状の構造体は、柱と梁が一体になって連続したアーチを描いています。

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7アーチ状の梁間の屋根スラブはシェル構造を採用。

UFOとか、宇宙基地を連想させるインテリア空間。この建築には、「宇宙的で壮大なコンセプトが潜んでいる」とのガイドブックの解説ですが、確かに体験すると、内包され具合は強く感じます。ハンガリーで紹介した、イムレ・マコベッツの荒々しい削り出しの表現に比べると、かなり洗練されている感じ、でしょうか。曲面に囲まれた空間が、白一色に塗られているので、未来的、宇宙的に感じさせている部分もあります。日本の建築家、渡辺豊和先生を思い出させます。

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9全体模型。四角の敷地の中で、かなり有機的な表現。

感心した点は、グリッド、ドーム、アーチ、シェルなど、多くの構造形式を1つの建築で使っているのにも関わらず、内部空間で、それらのジョイント部分に破綻が見られなかった事。柱をすべて円柱にしている事も一つの要因でしょうが、模型と平面をゆっくり見比べてみると、建築構造形式と機能的プランニング形式を明確にゾーンとして分けないで、少しゆるく貫入させたりしている事がその理由のように思います。上手ですね。

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. 建築が環境を破壊するものであることは疑いようもありません。 一方、ある目的のためには、空間が必要であることも事実です。 犠牲にしてまでつくられる空間とは、一体どうあるべきなのでしょうか。空間の「質」は、広さだけの尺度で判断することは出来ません。単なる箱をつくるのではなく、空間のかたちや光、音、雰囲気など、人々にとって、記憶に残るような魅力を持つものを残していきたいと考えます。 次世代から現在の環境を預かっている、という立場に立ち、 建築・インテリア・家具・まちづくりのデザインを行います。

タンペレ図書館 への1件のフィードバック

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