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ウィーン分離派達の表現 -その2

1アム・シュタインホーフ教会。ワーグナー設計。1907年。この建築には生まれて初めて行きました。市街から離れた郊外にある収容人数がとてつもなく多い精神病院の広大な敷地の中にある教会。道路から敷地に入って、徒歩20分でようやく辿り着きます。ワーグナー66歳の時の建築。

近づいた時に、久しぶりに建築に感動しました。外観だけで。 表現が「気高い」のです。

4正面。この存在感はどこから来ているのか。1時間見ていました。

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8サイドの壁面。四周共に、下部が石の乱れ貼りで、その上に大理石貼り。例によって、規則正しく、金属鋲を打ってあります。雪が降っていて暗いので、色が出ていませんが、大理石は白色。

9正面玄関ドア。ドア枠に打たれた鋲の間隔は、なぜか2種類。背の高いドアなので、見え方の重心を下に落としたかったのだと推察。

10ドアの鋲と、石の鋲とのコントラスト。

残念ながら中には入れませんでした。ウィーンにはカール教会(1715-39年)という、バロック様式の教会があります(写真下)。大きさは全然違いますが、同じ雰囲気を感じました。 形態の構成、プロポーション、装飾、色、素材の総合的な力です。現代の材料と構法、予算の中で、この事を実現するとは。恐れ入りました。いつか内部見学できる日が楽しみです。(一生来ないかも知れないけど)

P1040092 - コピー

P1030863 - コピー

 

そして、オットー・ワーグナー作品の最後に紹介する建築は、ウィーン郵便貯金局。1906‐1912年。

1両サイドの古い建物と、色調を合わせて、一見調和しています。 ワーグナー71歳の時に完成。

2基部、頂部、端部のベーシックな 外観の3段階構成。

9この建築には、大理石と御影石が使われていて、またもや化粧金属ボルト止めです。

7玄関ポーチの庇と柱。下部せり出しの外壁フォルムの一方で、柱の上部は細くなっていて、かつ下半分に付けられたリブがエレガントです。柱のリブには、何か物がぶつかった時のための強度とか、へこみ防止の役割がある、と好意的に判断してもいいでしょう。

11 使われている部材のすべてにデザインが施されています。

8 御影石を留めているボルト。

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玄関ホール。

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階段の手すり子は、アルミの板材2種類をリズムを刻んで使用。

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あまりにも有名なメインホール。100年前のデザイン。

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鉄骨柱をアルミの板で覆っています。そっけのない、柱四方を照らす裸電球のブラケット照明器具。

6 ガラスブロックと石貼りに、幾何学の模様を。

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規則正しいく配置された壁柱に沿って立てられたステンレスの筒。壁の石貼り3種類。下から、薄いグレー、白、薄いべーjジュ色。ボルト止めではないベージュ壁部分には、装飾のモール。

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空調吹き出し口のデザイン。壁からあえて独立したポールになっています。球体がはさみこまれたデザインは、「幾何学を装飾として使うのです!」 的なオーラを、ありありと感じます。

P1030895 - コピー天井のトップライトはダブルスキンなので、かなり優しい光になって、全体を均一に照らしています。2種類の天井の境に立てられた柱が、トップライトに貫入していってガラスに入って行っていますが、なぜ、低い側の水平部分の梁に当てて(少し外側に出して)終わりにしていないのか、が不思議。と、思っていたら、この柱は下にいくにしたがって細くなっていることに気が付きました。したがって、水平の梁の部分で、半分出て上に伸びていっているので、天井が勝つのではなく、柱の存在を勝たせたかったのだ、と納得。しかし、その結果、ガラスに突き刺さる最上部の部分の処理など、さらに考えるべきデザインの箇所は増えていることになっています。極めて微妙なセンスのデザイン。

 

この建築は、上記の教会と並んで、オットー・ワグナー先生の代表作品として評価されている建築。以前、20年前に見た時には、均一性があり美しい、くらいの印象でしたが、今回は、植物的な装飾模様を排除した中での、近代建築デザインの誕生を告げる作品だと感心しました。

100年経った今でも、確実な美しさを持っている建築。

 

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. 建築が環境を破壊するものであることは疑いようもありません。 一方、ある目的のためには、空間が必要であることも事実です。 犠牲にしてまでつくられる空間とは、一体どうあるべきなのでしょうか。空間の「質」は、広さだけの尺度で判断することは出来ません。単なる箱をつくるのではなく、空間のかたちや光、音、雰囲気など、人々にとって、記憶に残るような魅力を持つものを残していきたいと考えます。 次世代から現在の環境を預かっている、という立場に立ち、 建築・インテリア・家具・まちづくりのデザインを行います。

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