school architects blog
イリノイ工科大学 クラウンホール

1イリノイ工科大学にある建築学部棟、名称はクラウンホール。1945年。IITの教授も勤めていた、建築家 ミース・ファン・デル・ローエの代表作品です。特徴は上の写真でわかるように、構造体の「大梁」を普通は建物の中に納めるのに、外側に出して内部空間天井高さを大きく取っている点。レス・イズ・モア(より少ないことは、より豊かである)という、その後の多くの建築家を縛った言葉そのままに、内部には何もありません。

2玄関アプローチ。階段は段板が浮いているように、踊り場も地面から浮かせて、面の構成を表現

11下段の窓は地階の窓。窓の構成比率の見惚れるほどの美しさ。ゴールデン・レシオでしょうか。

3玄関から半分を見たところ。間仕切り壁はありますが、天井までは届いていない、一室空間。

30窓際。一定のピッチで立つサッシの鉄製歩立て。

9天井。仕上げ材料のモジュールに忠実に配置。

31模型スタディを繰り返して行っている事がよくわかります。どこの国の建築学科でも同じ風景。

学生に聞きました。 作品プロジェクトは忙しい? → とても忙しくて、寝る時間が惜しいです! 楽しんでる? → もちろん、とっても楽しんでます! やはり、どこの国でも同じです。

6木造の軸組構造もつくっています。最近はセイカ大建築学科では見ませんね。見習わないと。

70ファサード(道路側の立面図)のスタディのために、通り周辺をそのまま再現した敷地模型。模型は、レーザーカッターで、パソコンからのデータでくり抜かれて作られているので、正確、精密。 今日、レーザーカッターや、3Dカッターのない、建築学科なんてありえません。でも、一方では 1,2年生の図面は手描きが多いことも世界共通の建築教育現場。アナログとデジタル、両方とも表現の武器にしなければ生きてはいけない世界。僕は残念ながら、昔の人間なのでアナログしか使えませんが。CG、CADを使い込む事は社会に出ると必ず要求されるスキルですし、頼もしい、と思う反面、手描きの力もきちんと知っておいて欲しいと思うのは欲張りでしょうか。

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間仕切りを兼ねた収納壁の上には、ダンボールで学生が造った椅子作品が置かれています。この課題も世界共通でしょうね。

階段は、洗い出し仕上げですが、入り隅はすべて曲面で。

 

 

121階のフロアは、50人程度の実習室が4つ。この写真、地下には、図書館やサロンや実習室。

13建築図書室。結構の本の量です。

14書棚の上には、歴史的にエポックをつくった代表的な椅子の実物を展示。セイカ大にも欲しい。

4セイカ大建築学科と同じような、作品展示台。コンパネで組み立て式。やはり世界共通か。

20ゴミ箱は当然分別式ですが、感心したのは、建築学科だけにオプションで前に付けられている、「使用済カッターの刃入れ箱」。模型をつくる時に大量に出る、危険なカッター刃専用の捨て場を、ここでは、オイル・塗料の鉄の廃缶を再利用して。見習いましょう。

やはり、大きな部屋を学年毎にゾーンでかたまっているだけの実習室は、活気があり、交流もあり、素晴らしいものです。

建築教育の内容や方法は、国によってそれほど大きく異なっているわけではない事を再確認しました。アナログ表現、デジタル表現の配分は異なります。デジタルはきれいにできているように見えるし便利だけど、学生には手で描く、手でつくる事を基本として身につけて欲しいと思います。

しかし、巨匠である、ミース先生のつくった空間で、建築を学ぶなんて、最高の贅沢ですね。

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. 建築が環境を破壊するものであることは疑いようもありません。 一方、ある目的のためには、空間が必要であることも事実です。 犠牲にしてまでつくられる空間とは、一体どうあるべきなのでしょうか。空間の「質」は、広さだけの尺度で判断することは出来ません。単なる箱をつくるのではなく、空間のかたちや光、音、雰囲気など、人々にとって、記憶に残るような魅力を持つものを残していきたいと考えます。 次世代から現在の環境を預かっている、という立場に立ち、 建築・インテリア・家具・まちづくりのデザインを行います。

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