前回に、セイナヨキの教会、図書館と書いたので、今回は当然、劇場と、町役場だろう!と思って期待していただいた皆さま、すいません。その2つに加えて行政施設も、僕には感動を与えてくれませんでしたので、スキップすることにします。情報を知りたい人は、メールください。
ビッキ地区にある「コロナ」と呼ばれる情報センター。ここには、ヘルシンキ大学の教育研究施設と地域の公共図書館が同居しています。外観は本当の意味でのダブルスキンで、平面は四角形を基本としていて外装が円なので、その隙間を「温室」にしています。1999年の建築。
歩道まで突き出した、建築。いいのでしょうか?
玄関ホール。このホールから、レストラン、講義室、図書館に分かれています。
上記は子どもスペース。上左:家庭用ゲームの貸し出し。上右:スキーのスティックの貸し出し。(たぶん歩行用)
ビデオソフトの貸し出し。
情報センターと名乗るだけあって、お年寄り、学生、子ども連れ家族など、様々な年齢層の人達が情報を求めて、たくさん集まっています。
こういう複合施設のあり方は日本も見習いたいものです。
次は、エスポー市駅前にある、複合施設。
駅から向かって、右の外観。内部にはスーパーや各種店舗の商業施設を中心に。
駅から向かって、左側の外観。内部には文化施設を中心に。150Mくらいの長さの複合建築。
玄関ホール。はじめは商業施設かと思いました。
Kirjasto はフィンランド語、Bibliotek はスウェーデン語、そして英語。町中どこでもすべて案内は2ケ国語で表示。スウェーデン語しか使用していない人は、現在数%ですが、その人たちへの配慮は続きます。
入ったところには案内板。カラフルでわかりやすいもの。 当然、各コーナーにはこの案内板の色と同じ配色で。
天井に吊り下げられた、黄色に塗られた木毛板。天井は上階のスラブや配管がむき出しなので、おそらく吸音のためでしょう。
子ども用のコーナー。思いっきりカラフル! 遊園地のようです。
この奥に見える黒い箱は半透明の強化ガラスの箱で、寝転がって、小さな子どもと遊びながら、本やおもちゃで遊ぶ部屋になっています。下の写真が内部。
遊ぶ遊具もふんだんにあるので、子ども達が本のある環境に親しむためには最高の場所です。
さて、1つ目は、大学と地域情報センターの中にある図書館、2つ目は駅前繁華街の商業施設の中にある図書館。つまり、「ここが行政が管理・監督している図書館!」、という姿勢はこれっぽっちも方針としてないし、雰囲気としてもありません。市民が利用しやすい立地や施設状況を考えること、長い時間滞在していてもストレスを感じないインテリア空間と家具を配置する事を最優先していることがわかります。以前のブログの、「図書館のあるべき姿」で、書いたことが、国中のどこでも実践され、結果として多くの市民を集めています。このような場所をつくり、維持していくために、税金が使われていることを、利用者が身をもって実感できます。素晴らしいと思います。(99)