school architects blog
セイナヨキの図書館

P1140083 - コピー

アアルト設計の図書館。1965年の作品。内部はロヴァニエミの図書館と同様に、放射状に書庫が並んでいて、中央に一段下がった閲覧室があって、光は・・・・・・・、と言葉で書いても、よくわかりませんよね。ということで、今は中に誰も入ることはできず、写真がないので、スキップします。閉鎖しているのは、すぐ隣に新しい図書館がオープンしたからです。2012年。ビッキ教会と同じ、JKMMアーキテクツの設計です。

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道路側から見ると、黒い塊り。偉いと思ったのは、町役場や教会や劇場に配慮して(たぶん)1階建てとして、高さを抑えています。

 

 

2玄関入り口側。パースが効いてしまっていますが、四角の箱の内側に入り込ませた壁面・軒天処理の形態。この面のみが白色。物理的に長いので、迫力はあります。高松市丸亀の猪熊弦一郎美術館の低層版みたいな。ちなみに、その猪熊美術館の外観は、

CIMG6137この谷口さん設計の建築は、設計精度・施工精度共に高い建築です。それは置いておいて、

3黒い壁は、鋼板のウロコ貼り。少し奥がメッシュになっているのは、同じ材料で覆った設備置き場。水処理からの鋼板ジョイント+デザインを考えての結果としての、この形だと推測。

4出隅部分は、材料の違いで角別れ。ですが、もう少し、白ペンキは丁寧に塗ったほうが良かったですね。設計したオフィスからクレームなかったのでしょうか。僕なら「ペンキのタッチアップはできません」、と言われたら自分でハシゴで上がって、きれいに落とすけど。(たぶん。怖いけど)

1エントランスホール。天井には、グラフィカルな模様。円管蛍光灯吊り下げのシンプルさ。

2受付+レファレンス。同じ空間の一部を、仕上げ材料と色で床壁天井すべてをパキッと分けて。

3閲覧室。ここの天井は、コンクリート打ち放し仕上げ。窓際では、結構な天井高さ。下右:ハイサイドライトのサッシ枠は躯体に打ち込みで、見せず。四角のガラスのみの見せ方。シャープ。

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5右手側は段状に降りていきます。コンクリートはカクカクした面の構成で、マッシブな構成。

6下階への階段と兼用した、ここも閲覧スペース。座って本を読みます。イベントもできますね。  段寸法に合わせた、オリジナルクッションはL字型の可動式(というか、置かれているだけ)。

この下に降りた場所には、楽しい子ども用の閲覧スペース+音楽、映画資料コーナーです。
7壁に穿たれた、穴。押入れの中に入るように、ここに、こもります。さすがに大人はいませんね。

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内部の床、壁天井ともに、カーペット仕上げ。壁と穴のカーペット部分のジョイント。よく継ぎ目を見せないようにできたものだと感心。外部ペンキは、はみだしているのに。

8いくつかの穴には入り口が複数あったり、穴同志が中でつながっていたり。小さな子ども達には楽しい空間であることは間違いないでしょう。すべての穴のデザインが異なっています。

9子ども図書コーナー。いくつものボックスがあり。

10内側は、読む場所。外側が書棚の2つの機能を持つボックス家具。この箱はお花畑。

13この箱のテーマは、海でしょう。けっこう、不気味な感じもしますが。

11こんな、森の中のような空間も壁に埋め込まれています。

12ー壁際の書棚は、ぶつからないように、壁に埋め込み。安全性が考えられた親切設計。

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子どもスペースのマシンも、子ども用にデザイン。画面を見ながら、遊びながら貸し出し+返却。

面白いので、何回もしたくなるでしょう。

 

 

 

20玄関ホールの片隅にあるトイレ。絶対、どこがドアなのか、はじめはわからないはず。インテリアデザインとグラフィックデザインが融合したもの。ちなみに、この建築デザインは、アスモヤーリさんで、インテリアデザインはパイビメウロネンさん。2名が協力した建築。

デザインセンスのシャープさと、コンクリート面を元気よく構成した秀作だと思います。とりわけ、子ども用の空間は、楽しさと配慮があり、好感を持ちました。というより、僕が入ってみて気持ち良かったです。 大人も子どもに帰って、体験したくなる空間。

以前、ユニバーサルデザインが喧伝されていました。日本中の公共行政団体は、こぞって、これからは老若男女すべてに優しい、ユニバーサルデザインだ!と。これはデザインすることにおいては、大事な視点だと思います。あくまでも機能的な意味で。 その後、インクルーシブデザイン(社会性を持つようなすべて包み込むようなデザイン)と同義語のように扱われてきました。   僕は、デザインを考える視点は、まず初めにエクスクルーシブであるべきだと思っています。デザインする本人が楽しんで、これは絶対に自分が欲しい!と思うものでなければ。その視点からの「優れたデザイン」は、インクルーシブなものになっているはずではないか、と思っています。言いかえると、まずは、個人としての楽しさを感じる優れたデザインであるべきで、その楽しさを感じるデザインの力は、社会性を持つべきクオリティであるべき、ということになるでしょうか。     少し、ややこしいですね。 (98)

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. 建築が環境を破壊するものであることは疑いようもありません。 一方、ある目的のためには、空間が必要であることも事実です。 犠牲にしてまでつくられる空間とは、一体どうあるべきなのでしょうか。空間の「質」は、広さだけの尺度で判断することは出来ません。単なる箱をつくるのではなく、空間のかたちや光、音、雰囲気など、人々にとって、記憶に残るような魅力を持つものを残していきたいと考えます。 次世代から現在の環境を預かっている、という立場に立ち、 建築・インテリア・家具・まちづくりのデザインを行います。

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