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集合住宅 その2 + 中締めのご挨拶

現在の建築デザインは、すべて都市計画局の指導と許認可を受けています。色、素材、形態、凹凸率など。その中で建築家達が工夫を凝らしている様子を少し、集合住宅を例にして見てみましょう。

1エレベーター部分、ホール部分、非常階段の壁柱を縦方向のアクセントにして、中央の水平窓と左右の縦、横の細長い窓、ポツ窓で、きれいにデザインを収めています。

2ガラスのサンルーム、最上階角のレンガ色、中央の黄色部分で、形態をリズムよく分割。

3窓外部のオーニング(角度可変、開閉式)と水平方向の強調で、統一感をつくっています。

41階部分を1度切って、上階を3段構成に。6階床スラブが通っているので、全体がまとまったものに仕上がっています。

5最上階は、共用部分(サウナとか集会室とか)なのでしょう。明確に分離しています。レンガタイルの面の取り方、各階サッシ上部に入れた白色ストライプなどで単調さを避けています。

6バルコニー部分のみの壁をうねらせて。有機的なタイル模様(恐竜かクジラを想わせる)をつけて、外観にメッセージ意味を付与。まあ、普通。

9敷地高低差を利用しながら。人の動きにあわせて、壁を屋根につなげています。左側にある出っ張ったガラスのサンルームは、その周囲もサッシにしてあるので、かたちがスムーズにつながって見えます。上手。

10 (2)これも大胆な水平方向の分割。上部右端がさらに出っ張り、アクセントで黄色を使った、僕好み(色だけの問題ですが)のデザイン。最上階は「浮かせた」デザインになっているため、影もできて、形態の分割がより鮮明に。最上階の右端部分の外装を変えている点は、プロ好みで、にくいですね。座布団2枚。

10各階バルコニーの手すりにもランダムに黄色を使用して、レンガ色と白色の間のつなぎ役を担っています。子は鎹(かすがい)と言うように、間に入る3番目の役割は小さくても大きいものです。

11南側サンルームを規則正しく分割。セットバックさせた全体フォルムと、白壁のフォルムを親子のように扱って、相似形にしています。

13各住戸のライフスタイルが、そのまま表出。これもデザイン・コンセプトの1つでしょう。

12飛び出したサンルームの床構造の鉄骨はむき出して、内側では鉄筋を斜めに吊り下げたデザイン。はまっているガラスは、上下左右からの振動に追随するディテールになっています。たぶん。

14縦に3分割構成。縦長、横長、ポツ窓を壁面の構成に織り込んでいます。

15このデザインは秀逸です。じっくり見ていても飽きの来ない周到にデザインされた構成。上手。

7外装材としてオリジナルにつくられた、プレキャスト板。軽量コンクリート製。カーテンウォールの外側の腰壁部分などに設置。

8この国の新築は、コンクリート現場打ちは少なく、ほとんどが、工場で制作されたプレキャスト・コンクリートです。その外側に空気層を取って、断熱材、さらに外装材を貼って仕上げ。内側も同様に、PC板の内側に断熱材を入れて仕上げのボード貼り。外周以外の壁はブロック積みの上、モルタル補修、塗装仕上げが多いようです。

国が違うと、建築をつくる工法が異なることは当然の事。木造の住宅でも、壁厚が40センチほどあるのは、断熱のため。ただ、建築のデザインのルールに限って見ていると、共通している部分が多いと思います。形の作法ですね。

 

P1040616 - コピー

最後に、生活していた宿の最上階からの今日の風景。ようやく、晴れの日が続いて、道路の雪・氷も溶けはじめました。長かった冬を終えて、ようやく春に向かいます。かつて、10時~3時までしか明るくなかったのに、今は7時~7時まで明るい街になりました。

この街に来てから、約半年が過ぎました。滞在したヘルシンキを中心に、アアルト先生の作品など、多くの建築を見る時間を取ることができた事は幸せだったと思います。

このブログでは、子どもへの建築デザイン教育について、知り得た多くの事を書いていません。その理由は、ヘルシンキのArkkiスクールで経験したワークショップ・プログラム内容は、許可なく紹介する事が出来ない事が1つ。もう一つは、「子ども達への建築デザイン教育が必要だろう」、という前提は、欧米ではあたりまえの話で、どの国でも共通の認識のもとに行われている、当然の事であり、共通した文化活動なので、僕としたら拍子抜けしてしまった事が2つ目の理由です。これから整理して、まとめて報告していきたいと思います。

約180日間で書いたブログ報告は、141回。1回で10~30枚の写真を載せたので、平均20枚として、2000枚以上。多いのか少ないのか、わかりませんが、しかし、よく続いたものだと思います。今回で一応の中締めとして、継続的に書くこと (継続していない期間も多々ありましたね!道で転んで、腰の骨にヒビが入ったりしたし。)を中断し、また、お伝えしたい事に遭遇したら書く事にします。

京都精華大学建築学科の卒業生・在学生達へ向けて、極力わかりやすいような解説をしてきたつもりですが、改めて読んでみると、かなりの独断的な文章でした。でも、建築の見方、感じ方は個人の物なので、僕・葉山が思うには、という事で、まあいいかな、と思います。

こんな勝手な文章や写真を、毎回、多くの人に目を通していただいたことに、深く感謝します。  ありがとうございました。

さて、帰国準備を始めます。

 

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. 建築が環境を破壊するものであることは疑いようもありません。 一方、ある目的のためには、空間が必要であることも事実です。 犠牲にしてまでつくられる空間とは、一体どうあるべきなのでしょうか。空間の「質」は、広さだけの尺度で判断することは出来ません。単なる箱をつくるのではなく、空間のかたちや光、音、雰囲気など、人々にとって、記憶に残るような魅力を持つものを残していきたいと考えます。 次世代から現在の環境を預かっている、という立場に立ち、 建築・インテリア・家具・まちづくりのデザインを行います。

集合住宅 その2 + 中締めのご挨拶 への1件のフィードバック

  1. 佐野 誠実 says:

    葉山先生お久しぶりです。
    フィンランドでお世話になりました、佐野です。
    半年間お疲れ様でした。無事にフィンランド生活を終えられたようで何よりです。

    日本に戻ってから、先生のブログを拝見するたびにフィンランドの生活が懐かしく思い出されました。
    (それは、先生の意図するところではないと思いますが)
    5月末に京都に行く機会があるので、ご都合がよろしければフィンランドのお話を聞かせていただければなと思います。

    本当にお疲れ様でした。

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