school architects blog
聖イシュトヴァーン大聖堂


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前回の2回のブダペストからは、癖の強い建築を紹介してきたので、最後は普通の建築。1851年から1905までかけて建てられた聖堂。「最初は新古典主義で設計されたが、建設途中の事故でドームが崩壊し、ネオ・ルネサンスに改築された」(世界の建築・街並みガイド、X-Knowlege社発行より)、 だそうです。建てていく時間が長いので、建てながら様式の素性を変えていくという事は、よくある事。育っていく環境次第で性格が形成されていくようなものだと思います。この建築の場合は工事中に屋根が崩れたので、やり直すなら・・と考え直したのでしょう。高さ96M。

2ハンガリーで一番大きな聖堂。重厚、厳かな雰囲気を漂わせています。

3背面のパイプオルガン。

4十字架の平面形をしているので、5つに分けられたゾーンごとに、(天井が十字型にそって5分割)見上げるドーム空間(軸線部分に3つ)とアーチ空間(両サイドに2つ)があり、それぞれが形として完結して主張しながら、装飾を伴って存在を主張しているという、どこを見ても隙のない全体空間がつくられています。

5連結しているサイドのアーチ空間部分。ここだけの建築でも、空間として成立しています。

6中央部分のドームの天井。

7どうやったら、2次元曲面、3次元曲面、垂直面、水平面を破綻なく整合させることができるのでしょうか。おそらく今の僕たちがやっている設計方法と同じで、全体の空間の構造・構成を考えて、それぞれの意味を考えながら各部分をデザインして、全体デザインを見てチェックして、また部分を考えて、という設計プロセスを螺旋のように、大きな部分から細部に至るまで、なめるように 図面を描いて検討を積み重ねていって、結果として誕生したに違いないと思います。つまり、今の僕たちがこの時代にいたら、当然のように行っていたであろう仕事の仕方。パソコンはないけど。

8どこに目をやっても、その部分にしばらく目を留めてみたくなる感じ。「なめるように」設計された建築は、本当に「なめたくなる」=空間を味わってみたくなるものです。

9燭台1つでも、このデザイン、この制作。

「この建築を建て替えてください。」と、ハンガリー政府から言われたらどうしましょう。      「この建築の横に、事務所ビルを建ててください。」と、ブダペスト市から言われたどうしましょう。 想像するとワクワクして楽しくなります。                                  間違っても、「僕にはできません。」 とは言わないでしょう。

そういう、とてつもなく難しい設計の依頼、来て欲しいです。

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. 建築が環境を破壊するものであることは疑いようもありません。 一方、ある目的のためには、空間が必要であることも事実です。 犠牲にしてまでつくられる空間とは、一体どうあるべきなのでしょうか。空間の「質」は、広さだけの尺度で判断することは出来ません。単なる箱をつくるのではなく、空間のかたちや光、音、雰囲気など、人々にとって、記憶に残るような魅力を持つものを残していきたいと考えます。 次世代から現在の環境を預かっている、という立場に立ち、 建築・インテリア・家具・まちづくりのデザインを行います。

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