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シカゴ建築財団の底力

1市民、子ども達への「建築教育」を強力に推進している、シカゴ建築財団。もちろん、アメリカでは他の都市の建築家協会、建築財団でも熱心に行っていますが、シカゴ建築財団は、その中でも牽引役になっている印象を受けたので、実際に見に行きました。

2まず、入ると「建築デザインショップ」。文房具、本、服、什器、日用品、アクセサリー、おもちゃ、建築家のドローイング、図面コピー、照明器具など、建築やデザインに関するグッズをセレクトして販売。店の面積は約200㎡。

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15本当は全部買って帰りたかったけど、スーツケースの大きさの問題で断念で残念。スティックを組み合わせて、観覧舎などをつくるおもちゃは欲しかったです。スティックをジョイントする部材を、僕は自分でヘルシンキで新しくデザインしたので、帰国したら開発しようと思っていましたが、このキットのジョイントは僕が考えたアイデアとほぼ同じ。悔しかったです。やはり、同じような事を考えるんですね。スティックが8方向、16方向にジョイントできる部材です。

16そのショップの奥には、大きなギャラリー、多目的スペース、そして財団の事務所。

P1140585 - コピーギャラリー、というか大きな展示ホール。シカゴの街の模型が中央に。ヘルシンキと同じように。

5一つ一つの建築模型はかなり精巧なものです。学生がつくったのでしょうか。聞けば良かった。高い建築は、シアーズ・タワーです。

6このギャラリーに続く、左が財団入口で、右は多目的スペース。

7財団の玄関。壁には代表的な活動を紹介する、控えめなパネルが6枚。

8水曜日の昼休みの時間に実施されている、建築講演会。子ども達への建築ツアーの様子。

9市民への建築ツアー。そのテーマ・内容のバレエーションはなんと85種類。ダウンタウン、アール・デコ、フランク・ロイド・ライト、海洋クルーズ、バスツアーなど。歩くツアーで2時間で17ドル。講師は建築が好きなボランティアさん。その数なんと200名。僕はツアーに2回参加しましたが、ガイドさんは、かなりの建築情報を持っておられました。その回では、10~20名の大人と子どもが参加しました。市民も旅行者も、建築への関心が高いです。

10左の写真は、子ども建築ワークショップ。右は毎年開催されている、子どもの住宅コンクールの表彰式の様子。

11ショーウィンドーには、手描きで毎日更新されるツアーなどの情報。

110ツアーや無料講演会は、休みなしで、1時間きざみで予定されています。

12ここが多目的ホール

13子どもへの建築教室の内容などは、教育担当マネージャーのManny Juarezさんから話を聞き、意見交換を行いました。目的が同じなので、たちまち意気投合。子どもへの建築教育も国を超えています。上の写真は、「インターネット時代の移動する住まい」という課題。バスがベースになっていますが、回によって、キャンピングカーにしたり、電車にしたり。

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休憩スペースのデザインとして、「屋根をかける」ための構造をデザイン。1回のクラスには20~30人が参加しているそうです。

P1140820 - コピー

これは、電車、バス、トラムなどの交通機関が集まる場所の「ターミナル・デザイン」。人や車の 大きさの模型もつくって、スケールも確かめながらのワークショップ。面白いです。

P1140821この部屋は、多目的スペースの横の、子ども建築ワークショップを行うための専用の部屋。

展覧会、講演会やワークショップを行う専用のスペースを持ち、200名のボランティアを擁する、 この建築財団の底力。さらにすごい事は、以前1度紹介ましたが、建築教育の教科書を作成し、出版を行っていること。建築の持つ大切な要素ごとに、知識として紹介しつつも、考えながら行うワークシートもついています。アクティブなラーニング。対象は幼稚園児から高校生まで。学校で学ぶ科目毎に、建築のあるテーマは、どの勉強に対応しているかという表も添付されています。その表を見るだけでも、建築を学ぶことがいかに総合的な勉強であるか、よくわかります。

6P1120875 - コピー

左が高校生用、右が幼稚園児から小、中学生用のテキスト。ようやく入手できました。ゆっくり中身を分析することが楽しみです。

ミースやライトの建築作品をはじめとして、建築的に価値を持つ街の組織なので、こうした活動は大きな意義を持っていると思います。建築遺産を次世代につなぎ、市民の興味関心も高く集め、自分たちの街としての誇りを生む活動。

日本で建築遺産が数多く存在している歴史ある街、京都でも始めたいものです。

 

 

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. 建築が環境を破壊するものであることは疑いようもありません。 一方、ある目的のためには、空間が必要であることも事実です。 犠牲にしてまでつくられる空間とは、一体どうあるべきなのでしょうか。空間の「質」は、広さだけの尺度で判断することは出来ません。単なる箱をつくるのではなく、空間のかたちや光、音、雰囲気など、人々にとって、記憶に残るような魅力を持つものを残していきたいと考えます。 次世代から現在の環境を預かっている、という立場に立ち、 建築・インテリア・家具・まちづくりのデザインを行います。

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