school architects blog
ヘルシンキ音楽センター

P1120723 - コピー2011年9月に竣工した、ヘルシンキ音楽センター。アアルト設計のフィンランディアホールの音響効果の欠点を補うためにつくられました。中には、音楽に特化した図書館や、フィルハーモニー管弦楽団、フィンランド放送交響楽団、シベリウス・アカデミー(音楽学校)などの音楽の拠点。 建設費は1億6000万ユーロ、ということは、約190億円。

P1120701 - コピー道路の右側には、現代美術館キアズマが、左には、フィンランディアホール、向い側にフィンランド国立博物館と国会議事堂という、アアルトが描いた都市計画の中での計画がようやく実現したものです。駅からもすぐそばなので、格別の立地状況。

P1120722 - コピーこの建築は高さが2階建で抑えられていて、必要な面積は地下で確保されています。

エン1玄関ホールの2階から1階を見下ろした場面。右の2階は図書館、その下はクローク。

エンン2

 

玄関ホールの照明。

小さなランプを高い天井から、ワイヤーで吊るしています。風でゆれていないのが不思議。

 

 

 

廊下2玄関ホールの1階。左がクローク。この1階は、すべてホールのためのホワイエ機能を担っています。ホールの四周を囲んでホワイエ、廊下、レストラン、サービス機能諸室などが、ドア1つなく連結しているプラン。この部分には、いつでも誰でも入ることができます。

この「つながっていること」が、機能的な柔軟性を保障していると思います。

廊下1四周の一部の通路。左がホールで、ホールとの壁は、2重ガラス。間に電動ロールスクリーンが仕込まれていて、ホールの使用が始まると、閉じられます。それまでは、ガラスを通してホールを見下ろせます。

レスト3レストラン・ラウンジ部分。重く暗くもなく、軽く明るくもない程よいインテリアデザイン。

レストラン1ガラスは公園に面していて、現代美術館が見えます。ガラスカーテン・ウォールは、ドットポイント構造で。

階段地下2階の、アカデミーから見上げた場面。地下1階にも2つのレストランがある、立体的なゾーニング構成。数回行きましたが、いつも若者、子ども達、高齢者の方達がいます。

1ホールの平面図。右が1階で、ホールへの入口は三方の6ケ所から。という事は、四周のホワイエ共有部分はだれでも入れるので、イベントの時には、6ケ所にチケットをチェックするスタッフが配されます。観客席の配置は整形ではありません。(たぶん音響の関係だと) 音響デザインは、嬉しいことに、日本の永田音響設計(世界で有名)が担当。

2ホール内部。中央に見えるガラスが、ホワイエとの境界ガラス。

3この建築はガイドツアーがないので、中には、チケットを買って入るしかありません。

6機能的に整然と並んだ椅子。でも、開くと肘掛が皮でカバーされていて安っぽさはありません。

7

 

建築の上棟式で、当時財務大臣だったユルキ・カイタネン首相は、

「創造性は出会いと共通の目標から生まれます」      と演説されたそうです。いい言葉ですね。

市民が気軽に立ち寄ることができるような、雰囲気を持っていながら、キチンと本格的なコンサートにも対応することのできる動線処理や関連施設。

 

さまざまな利用者のニーズに応じて柔軟に対応しながらも、音楽の本格的な専門性にも対応する建築。柔らかいけど硬度も持ち合わせている建築の好例だと思いました。 (100)

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. 建築が環境を破壊するものであることは疑いようもありません。 一方、ある目的のためには、空間が必要であることも事実です。 犠牲にしてまでつくられる空間とは、一体どうあるべきなのでしょうか。空間の「質」は、広さだけの尺度で判断することは出来ません。単なる箱をつくるのではなく、空間のかたちや光、音、雰囲気など、人々にとって、記憶に残るような魅力を持つものを残していきたいと考えます。 次世代から現在の環境を預かっている、という立場に立ち、 建築・インテリア・家具・まちづくりのデザインを行います。

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